良渚古城遺跡

良渚古城遺跡
シユウジ, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
中華人民共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2019年
登録基準(ⅲ)(ⅳ)
その他の区分
公式テキストページ中巻170p
英文タイトルArchaeological Ruins of Liangzhu City

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

良渚古城遺跡とは

5000年前、人類史初期における都市文明の遺跡

良渚古城遺跡は、中国浙江省杭州市に位置し、約5000年前の新石器時代後期に栄えた良渚文化の中心地とされる重要な遺跡です。2019年にユネスコの世界遺産に登録され、長江流域における初期文明の存在を物語る証拠として国際的な評価を受けております。この遺跡群は、城壁や水利施設、貴族の墓地、居住区、宗教施設などを含み、先史時代における都市構造と社会制度の高度な発展を示しております。

遺跡の中心には、面積約300ヘクタールの古城があり、夯土(たたき土)で築かれた城壁と3つの城門、堀を備えた防御構造を有しています。城内には、行政・宗教の中心と考えられる宮殿区があり、儀式や統治が行われていたと推定されております。このような都市構造は、中国における都市計画と国家形成の初期段階を理解する上で極めて貴重な手がかりとなっています。

また、良渚文化の象徴ともいえるのが、玉器の豊富な出土です。特に「琮(そう)」と呼ばれる宗教的意義をもつ玉器や、神人獣面文の彫刻を施した精緻な工芸品は、当時の精神文化の深さと職人技術の高さを示すものです。これらの玉器は、貴族層によって儀礼や埋葬に用いられ、社会階層の存在と統治者による宗教的支配がすでに確立されていたことを裏付けています。

さらに、古城の周囲には大規模な水利システムが築かれており、河川を堰き止めたダムや貯水池、排水路などが発見されています。これらの施設は、洪水制御や農業灌漑を目的として設けられたと考えられ、自然との調和を重視した先人たちの知恵と技術がうかがえます。大規模な土木工事を可能にした背景には、明確な統治体制と社会的協力体制の存在があったと考えられております。

良渚古城遺跡は、その規模と保存状態の良さから、黄河文明とは異なる長江下流域における独自の古代文明の存在を立証するものです。これにより、中国文明の起源は多元的であり、複数の地域で同時に高度な社会が形成されていたという新たな歴史観が示されました。

今日では、良渚博物院などを通じて出土品や復元模型が展示され、一般の見学者にも広く開かれています。遺跡の保護と活用が進められており、学術的・教育的資源としての価値も高まっております。良渚古城遺跡は、単なる考古学的遺構にとどまらず、古代中国の文明の多様性と創造性を現代に伝える貴重な文化遺産であるといえます。

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世界遺産ハントの管理人。

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