| 国 | ジンバブエ共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2003年 |
| 登録基準 | (ⅲ)(ⅴ)(ⅵ) |
| その他の区分 | 文化的景観 |
| 公式テキストページ | 中巻304p |
| 英文タイトル | Matobo Hills |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
マトボの丘群とは
奇岩が転がる先史時代の遺跡
マトボ丘陵(Matobo Hills)は、ジンバブエ南部に広がる岩山の景観であり、2003年にユネスコの世界遺産に登録されました。この地域は、先史時代から人類が居住し続けた貴重な遺跡であり、アフリカの岩絵文化や精神的な信仰と深く結びついています。さらに、独特の地形と生態系を持つことから、文化的価値だけでなく自然遺産としても重要視されています。
歴史と文化的意義
マトボ丘陵は、約7,000年以上前から人類が居住していたことが確認されており、多くの岩陰には先史時代の人々が描いた岩絵が残されています。これらの岩絵は、狩猟採集民であるサン人(ブッシュマン)によって制作されたもので、動物の姿や狩猟の場面、宗教的な図像が描かれています。岩絵の中には、精霊との交信やシャーマンの儀式を象徴するものもあり、先史時代の精神文化を知る貴重な資料となっています。
この地域は、先住民にとって神聖な場所として認識されており、現在も宗教的な儀式が行われています。特に、マトボ丘陵はンデベレ族やその他の部族の祖霊信仰の中心地となっており、山々や岩の配置には特別な意味が込められています。この土地の霊的な価値は、ジンバブエの民族文化と結びついており、地域社会にとって精神的な拠り所となっています。
地形と自然環境
マトボ丘陵は、風化によって形成された特徴的な花崗岩の岩山が連なる景観を持ち、これが地域の象徴的な風景を作り出しています。巨大な岩が不安定な形で積み重なっているように見えることから、伝説や神話が数多く生まれました。こうした独特の地形は、生物多様性にも貢献しており、多くの固有種がこの地域に生息しています。
- 野生動物の生息地
マトボ丘陵は、サイを含む貴重な野生動物の生息地として知られています。また、多様な鳥類が生息しており、その中にはアフリカの猛禽類も含まれます。 - 植生と生態系
この地域には乾燥地帯に適応した植物が多く存在し、独自の生態系が形成されています。特に、希少な薬草や食用植物が自生しており、地元の人々によって利用されています。
遺産の保存と現代の価値
ユネスコの世界遺産登録後、マトボ丘陵では文化的・自然的遺産の保護活動が進められています。岩絵の保存や考古学的調査が継続されるとともに、野生動物の保護にも重点が置かれています。また、地域社会と協力して持続可能な観光開発が進められ、訪問者が自然と文化の価値を深く理解できるような取り組みが行われています。
マトボ丘陵を訪れることで、アフリカの先史時代の文化や精神的な価値観を体験し、壮麗な岩山の景観を楽しむことができます。今もなお、この地域は歴史・文化・自然が融合する貴重な遺産として、その価値を世界に伝え続けています。

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