ペルシア庭園

ペルシア庭園
フランス産ダイナモスキート, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
イラン・イスラム共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2011年
登録基準(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅵ)
その他の区分文化的景観
公式テキストページ中巻191p
英文タイトルThe Persian Garden

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

ペルシア庭園とは

「エデンの園」を具現化した9 つの庭園

ペルシア庭園は、イラン各地に点在する優れた庭園の集合であり、2011年にユネスコの世界遺産に登録されました。この遺産は、古代から現代に至るまで続くイランの造園技術と精神文化を体現しており、自然と建築、精神性と美の調和を追求した設計理念に基づいています。登録対象となったのは、紀元前6世紀のアケメネス朝時代に起源を持つとされる伝統的な様式を今に伝える9つの庭園で、それぞれ異なる時代や地域の特性を反映しながらも、共通する美的・思想的枠組みの中に位置づけられています。

ペルシア庭園の構成要素として最も重要なのが、「チャハール・バーグ(四分庭園)」と呼ばれる四分割形式の庭園デザインです。これは、正十字の軸線により庭園を四つに分け、中心に水源や噴水を配することで、楽園の象徴とされる「天上の秩序」を地上に表現する試みとされてきました。この様式は、イスラーム圏の他地域、さらにはインドやスペインなどにも大きな影響を与えました。

また、ペルシア庭園には灌漑技術として「カナート(地下水路)」が用いられており、乾燥した気候の中でも豊かな植生と涼やかな環境を実現しています。水は単なる実用的要素ではなく、音や反射、動きを通じて美的演出の中核を成し、訪れる者に精神的な安らぎと静けさをもたらします。

登録された代表的な庭園には、シラーズのエラム庭園、ヤズドのドウラト・アーバード庭園、カシャーンのフィーン庭園、マハーンのシャーザデ庭園などがあります。これらの庭園は、王侯貴族の別邸や迎賓の場、また時には宗教的瞑想のための空間として機能してきました。建築物と自然、幾何学と詩情が見事に融合し、訪れる人々に深い感動を与え続けています。

ペルシア庭園は単なる景観の美しさにとどまらず、人間と自然との理想的な関係性、そして精神的浄化を目的とした空間設計の伝統を体現しています。その永続性と普遍性は、21世紀の現代においても多くの示唆を与えており、文化・歴史・技術の融合による傑作として世界的に高い評価を受けています。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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