| 国 | スリランカ民主社会主義共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1982年 |
| 登録基準 | (ⅰ)(ⅲ)(ⅵ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻52p |
| 英文タイトル | Ancient City of Polonnaruwa |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
ポロンナルワの古代都市とは
スリランカ仏教芸術の傑作が集まる仏教都市
ポロンナルワの古代都市は、スリランカ中部に位置する中世王朝の都であり、シンハラ王国の栄華を今に伝える重要な遺跡群です。アヌラーダプラが南インドの侵略により衰退した11世紀末、シンハラ王国の新たな首都としてポロンナルワが築かれました。特に、在位中の大規模な改革と建設事業で知られるパラークラマバーフ1世(在位:1153〜1186年)の治世において、都市は政治・経済・宗教の中心として黄金時代を迎えます。
ポロンナルワの都市構造は高度に計画されたもので、王宮区域、僧院区域、市街区域などが整然と配置され、当時の都市設計と治水技術の粋を示しています。王宮跡には、かつて7階建てあったとされる王宮の基壇と、儀式用の建物、行政施設などが残されています。また、王の治水政策を象徴する「パラークラマ・サムドラ(パラークラマの海)」と呼ばれる巨大な人工貯水池は、灌漑と防衛を兼ねた巧妙な土木事業の成果であり、今も地域の水源として利用されています。
宗教施設の中でも特筆すべきは、「ガル・ヴィハーラ」と呼ばれる4体の巨大な仏像群です。これは一枚岩を彫り出して造られた仏教彫刻群で、立像・座像・涅槃像がそれぞれ精緻に表現されており、スリランカ仏教美術の傑作とされます。また、「シャイヴァ教」や「ヒンドゥー教」の影響も見られ、ポロンナルワは多宗教が共存する文化的拠点でもありました。
ポロンナルワには他にも、月の石(スンドゥル・ガラ)や石彫りの柱、仏塔(ダゴバ)、薬師堂(ロタナガラ)など、宗教儀礼や日常生活に関わる多くの建築遺構が残っています。これらはシンハラ様式を基盤としながらも、南インド様式やビルマ・タイなど外来文化の要素を取り入れており、当時の国際交流と文化的多様性を物語ります。
13世紀以降、ポロンナルワは徐々にその地位を失い、首都が移転するとともに都市は放棄されました。しかしその遺構は、自然に包まれながらも驚くほど良好な状態で残されており、考古学的調査により数多くの歴史的知見が得られています。1982年にはユネスコ世界遺産に登録され、スリランカにおける中世文化の象徴として、また宗教と政治が融合した都市モデルとして高く評価されています。

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