| 国 | 中華人民共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2000年 |
| 登録基準 | (ⅱ)(ⅳ)(ⅵ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻180p |
| 英文タイトル | Mount Qingcheng and the Dujiangyan Irrigation System |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
青城山と都江堰水利施設とは
道教の発祥地と2,000 年の歴史をもつ水利施設
青城山と都江堰水利施設は、中国四川省にある、古代の建築技術と自然環境が融合した歴史的な遺産であり、ユネスコの世界遺産に登録されています。この遺産は、青城山の山岳信仰を背景にした宗教的な場所と、都江堰という古代の水利システムが一体となった文化的景観を形成しています。これらは、中国の古代文明における水管理技術と宗教的な重要性を象徴するものです。
青城山は、標高およそ1,000メートルの山で、都江堰水利施設の近くに位置しています。青城山は、道教の聖地として知られ、その美しい景観と静かな雰囲気は、多くの修行者や巡礼者を引き寄せています。山の名前は「青」と「城」に由来し、その名の通り、山の緑豊かな風景が特徴的です。青城山は、古代から道教の修行の場として利用され、山中には多くの道教寺院や庵があります。これらの施設は、道教信仰の中心地として、また宗教的儀式が行われる場としての役割を果たしてきました。
都江堰水利施設は、紀元前256年に始まり、紀元前250年頃に完成したとされる、古代中国の水利技術の極みです。この施設は、四川盆地における洪水防止と灌漑のために建設されましたが、その独自の設計と構造が非常に高く評価されています。都江堰の特徴は、ダムや堰を用いることなく、自然の流れを利用して水を引き入れる点にあります。これは、山から流れる水を分け、複数の水路を通じて四川盆地の広範囲に灌漑を行うための技術です。この水利施設は、農業生産を大いに支え、地域社会の発展に寄与しました。
都江堰の設計は、技術的に非常に優れており、その構造は今もなお利用されています。施設の中心には、「宝瓶口」と呼ばれる取水口があり、ここから水を引き入れ、分水を行います。さらに、「魚嘴」と呼ばれる水流の制御装置や、「飛沙堰」と呼ばれる砂を取り除くための施設も備えられており、洪水を防ぎながらも、安定的な水供給を維持しています。都江堰の水利技術は、後世の水利施設の基礎となり、中国のみならず、世界中の水利技術に多大な影響を与えました。
青城山と都江堰は、地理的にも文化的にも密接に関連しています。青城山は都江堰の近くに位置しており、自然環境と人類の技術的成果が調和した景観を作り出しています。これらの施設は、自然の流れと人間の技術が一体となって地域社会に恩恵をもたらす姿を示しており、これらが一つの文化的景観として認められています。青城山と都江堰は、その景観と歴史的価値から、多くの観光客や学者によって訪れ、評価されています。
また、都江堰水利施設は、現在もその機能を保ち、地元の農業や生活において重要な役割を果たしています。そのため、世界遺産として登録されているだけでなく、現代においても実際に使用され続けている数少ない古代の技術遺産の一つです。
青城山と都江堰水利施設は、単なる歴史的遺産にとどまらず、古代の知恵と現代の生活がどのように結びついているかを示す貴重な証拠でもあります。その建築技術、宗教的背景、そして水利技術の発展は、世界の遺産として今後も大切に保存されるべきものです。

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