ロータス城塞

ロータス城塞
フセイン・ハリド, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
パキスタン・イスラム共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1997年
登録基準(ⅱ)(ⅳ)
その他の区分
公式テキストページ中巻99p
英文タイトルRohtas Fort

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

ロータス城塞とは

堅固な城壁をもつ難攻不落の要塞

ロータス・フォート(Rohtas Fort)は、パキスタン北部のパンジャーブ州に位置する16世紀の石造りの要塞であり、南アジアにおけるイスラーム建築と軍事技術の融合を示す代表的な遺構です。この要塞は、スール朝の創始者シェール・シャー・スーリによって建設されました。彼は、ムガル帝国の皇帝フマユーンの北インドへの再進出を阻止するため、戦略上の要地にこの巨大な城塞を築いたとされています。建設は1541年に開始され、その後数年間をかけて完成しました。

要塞は、約70ヘクタールにわたる広大な敷地を有し、周囲は約4キロメートルにおよぶ厚い石造の城壁で囲まれています。壁には多数の見張り塔や稜堡が設けられており、外敵の侵入を防ぐための堅固な構造となっています。城門は全部で12あり、それぞれに異なる名称と役割が与えられています。中でも、ソヘイル門(Sohail Gate)は特に規模が大きく、建築美としても際立っています。

建築様式には、中央アジアおよびペルシャの影響を受けたイスラーム建築の要素と、ヒンドゥー建築の技術が組み合わされており、石積みによる堅牢さと、門や装飾部分における細やかな意匠の両立が見られます。内部には、モスクや居住空間、貯水池、行政施設などが配置されており、軍事拠点としてのみならず、自給自足が可能な生活空間としても機能していました。

この要塞は、戦闘を経験することなく時代を超えて保存されてきた点も特筆すべき点です。その構造と配置は、当時の戦略思想や技術の発展を知るうえで極めて重要であり、軍事建築の変遷を理解するうえでも大きな意義を持ちます。1997年にはユネスコの世界文化遺産に登録され、その歴史的価値と建築的意義が国際的に認められました。

現在、ロータス・フォートは学術的にも観光的にも重要な文化資産として、保護と活用が図られています。その保存状態の良さと壮麗な構造は、来訪者に歴史の重みと建築美を深く感じさせるものとなっています。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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