| 国 | ウズベキスタン共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2000年/2016年危機遺産登録 |
| 登録基準 | (ⅲ)(ⅳ) |
| その他の区分 | 危機遺産 |
| 公式テキストページ | 中巻78p |
| 英文タイトル | Historic Centre of Shakhrisyabz |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
シャフリサブズの歴史地区とは
ティムールの故郷に残る歴史的建築群
シャフリサブズの歴史地区は、ウズベキスタン南部の山間地に位置し、中央アジアにおける歴史的・文化的拠点の一つとして知られております。この都市は、14世紀のティムール朝を築いたティムール(タメルラン)の出生地として名高く、その統治下で政治的、宗教的、芸術的な発展を遂げた都市でございます。1993年にユネスコの世界文化遺産に登録され、その後の保存状態の悪化により、2016年には危機にさらされている遺産リストにも加えられました。
シャフリサブズは、古代には「ケシュ」と呼ばれ、すでに紀元前から人々の居住が確認されていた歴史ある都市です。しかし、その名を歴史に強く刻んだのは、14世紀末から15世紀初頭にかけてのティムールの時代です。ティムールはこの地に数多くの壮麗な建築物を建設し、自身の権力と信仰、文化への理解を体現させました。彼は特にこの都市を故郷として重視し、サマルカンドと並ぶもう一つの政治・文化の中心と位置付けました。
代表的な建築物として、「アク・サライ宮殿」が挙げられます。この宮殿は、ティムールが建てさせた壮麗な王宮であり、現在では巨大な門の跡が残されております。その壁面を飾る美しいタイル装飾や、青と白を基調とした幾何学模様は、当時の建築技術と美意識の高さを今に伝えています。また、ティムールの子孫たちによって建設された「ドルッ・サオダット建築群」には、彼の息子であるジャハーンギールの霊廟や、モスク、マドラサ(神学校)などが含まれており、都市の宗教的側面を強く反映しています。
シャフリサブズの都市構造は、ティムール朝の都市計画思想を体現しており、主要な宗教建築や政治的施設が厳密な配置のもとで築かれています。また、歴史的な通商路の交差点に位置していたことから、多様な文化や技術が交流し、それが建築や芸術にも反映されている点が特徴です。
しかし近年、観光振興を目的とした過度な開発により、一部の歴史的建造物が取り壊されるなど、都市の歴史的景観が失われる危機に直面しております。このためユネスコは、元来の都市構造と建築物の保全を重視し、関係当局に対して修復と管理の見直しを求めています。
シャフリサブズの歴史地区は、ティムール帝国の栄華と中央アジア文化の成熟を今に伝える貴重な遺産であり、歴史的記憶と芸術的価値を未来に継承するための国際的な努力が求められております。

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