シーギリヤの古代都市

シーギリヤの古代都市
V. エピニー, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
スリランカ民主社会主義共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1982年
登録基準(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)
その他の区分
公式テキストページ中巻50p
英文タイトルAncient City of Sigiriya

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

シーギリヤの古代都市とは

そびえる岩山に建設された天空の要塞都市

シーギリヤの古代都市は、スリランカ中部に位置する岩山を中心に築かれた5世紀の都市遺跡であり、その特異な地形と高度な都市計画により、アジア古代建築の中でも特に注目される文化遺産です。岩山は高さ約200メートルにも及び、周囲の密林から突然そびえ立つその姿は、地形的・視覚的にも強い存在感を放ちます。シーギリヤとは「ライオンの岩」を意味し、かつてその正面には巨大なライオンの彫像が構えられていたとされ、現在でもその両前足の遺構が階段入口として残っています。

この地は、王カッシャパ(カッサパ)1世(在位:477~495年)が王位簒奪後に新たな都として築いたもので、防御に優れた岩山の上に宮殿を構え、岩の裾野には庭園や貯水池、居住区などが整然と配置されました。特に、岩山の中腹には有名な「シーギリヤ・レディ」と称される女性の壁画が描かれ、仏教や王権に関わる象徴性と美術的価値を今に伝えています。これらの壁画は、鮮やかな色彩と柔らかな筆致を特徴とし、スリランカ古代美術の頂点と評されています。

シーギリヤの都市設計は、水利技術や対称的な造園において高度な知識が導入されていた点が特筆されます。王宮を頂点とする階層的な構造、岩をくり抜いた階段や回廊、幾何学的に整備された庭園群は、王権の威厳と自然の調和を同時に表現しています。また、岩山の表面を削って作られた「鏡の壁」は、かつては磨かれた石灰の反射によって訪問者の姿が映し出されたとされ、その後の時代には巡礼者たちの詩や落書きが刻まれ、当時の人々の感性や社会的背景を知る貴重な手がかりとなっています。

シーギリヤは、政治的中心地としての役割を果たしたのは短期間でしたが、その後は修道士たちの仏教僧院として利用され、中世以降も聖地としての性格を保ち続けました。現在では、王宮跡、壁画、庭園遺構などが良好に保存されており、考古学・美術史・建築史など多角的な観点からの研究が進められています。

このように、シーギリヤの古代都市は、王権の象徴、宗教的空間、芸術の舞台として多面的な意義を有し、1982年にユネスコ世界遺産に登録されました。自然と人工構造が見事に融合したこの遺跡は、スリランカにおける文化的創造力の象徴であり、古代都市計画の到達点を示す遺産として世界的に高く評価されています。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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