| 国 | 中華人民共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 自然遺産 |
| 世界遺産登録年 | 2007年/2014年範囲拡大 |
| 登録基準 | (ⅶ)(ⅷ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻215p |
| 英文タイトル | South China Karst |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
中国南部のカルスト地帯とは
世界最大級のカルスト地形がつくり出す3 つの光景
南中国カルスト(South China Karst)は、中国南部に広がる大規模なカルスト地形の一群で、2007年および2014年に世界遺産に登録された自然遺産です。この遺産は、貴州省、雲南省、広西チワン族自治区に点在する複数の地域で構成されており、地質学的・生態学的に極めて高い価値を有しています。登録地には、石林(雲南省)、茘波(貴州省)、武隆(重慶市)、荔波、施秉、環江、金佛山といったカルスト地形の代表的な場所が含まれており、それぞれが異なる進化段階や地形的特徴を示しています。
南中国カルストは、数億年にわたる地殻変動と気候変化の影響を受けて形成された石灰岩地帯であり、塔状カルスト、円錐カルスト、丘陵カルスト、洞窟、地下河川など、多様な地形を観察することができます。特に石林は「世界の奇観」とも称される鋭く突き出た石柱群で知られ、まるで石の森のような幻想的な景観を作り出しています。一方、茘波や施秉では、緑豊かな山々の間に無数の円錐形の峰が連なる典型的な円錐カルストが見られ、カルスト地形の成長過程を視覚的に理解できる場所となっています。
この地域はまた、多様な動植物の生息地としても重要です。亜熱帯から山岳地帯までのさまざまな環境に適応した種が存在し、生態系の多様性を支えています。特に金佛山では、標高差に応じた植生の変化が著しく、固有種や希少種も多数確認されています。これらの自然環境は、地球の生物多様性保全の観点からも重要な役割を果たしています。
南中国カルストの価値は、地質学的過程の優れた記録としてだけでなく、視覚的にも人々に強い印象を与えるその景観美にもあります。また、地域住民はこの独特な自然環境と共に長年にわたって暮らしてきており、伝統的な農耕や居住形態、信仰文化なども残されています。そのため、自然と人間の関係性においても注目すべき文化的側面が含まれているといえます。
南中国カルストは、世界的にも類を見ない規模と多様性を持つカルスト地形の宝庫であり、今後もその保全と持続的な利用が求められる貴重な自然遺産です。

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