タフテ・ソレイマーン

タフテ・ソレイマーン
イラン・イスラム共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2003年
登録基準(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅵ)
その他の区分
公式テキストページ中巻162p
英文タイトルTakht-e Soleyman

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

タフテ・ソレイマーンとは

イスラム建築に大きな影響を与えたゾロアスター教の聖地

タフテ・ソレイマーンは、イラン北西部の西アーザルバーイジャーン州に位置する、古代ペルシャの宗教と王権の象徴的な遺跡です。その名は「ソロモンの玉座」を意味し、長い歴史の中でさまざまな文化的・宗教的伝承が積み重ねられてきました。標高約2000メートルの高地に築かれたこの遺跡は、自然の地形を巧みに利用して設計されており、中央には神聖視された湧水湖が存在します。2003年にユネスコの世界遺産に登録され、サーサーン朝期の宗教・政治の中心地として、その重要性が国際的に認識されています。

タフテ・ソレイマーンは、サーサーン朝(3~7世紀)時代にゾロアスター教の聖地として隆盛を極めました。中心には、ゾロアスター教の最高神アフラ・マズダーに捧げられた「アダーラン神殿」があり、不滅の聖火が絶えず燃え続けていたとされています。この神殿は、自然の湧水湖を囲む形で配置され、宗教儀礼の中心となる神聖な空間を形成していました。神殿周囲には高い城壁が築かれ、外敵の侵入を防ぐ防御機能も果たしていました。

さらに、この地はサーサーン朝の王族にとっても特別な場所でした。王たちは神権政治の象徴としてこの地を訪れ、王権の正統性を示す儀式を行ったと考えられています。また、湖を取り囲む建築物には、ゾロアスター教だけでなく、サーサーン朝が統治していた多様な文化や宗教の影響も見られます。イスラム期以降も一定の信仰的意義を持ち続け、長い間地域住民の巡礼地であり続けました。

建築的には、タフテ・ソレイマーンの構造は極めて精緻で、煉瓦や石材を用いたアーチやヴォールト構造が見られ、サーサーン朝建築の発展を示す貴重な例となっています。また、幾何学的に設計された建物の配置や対称性は、後のイスラム建築にも影響を与えたと考えられています。

このように、タフテ・ソレイマーンは宗教、王権、建築技術が融合した特異な遺産であり、イラン古代文明の精神的・文化的核心を今に伝える場所です。その歴史的意義と美的価値は、訪れる者に深い感銘を与えるとともに、人類共通の文化遺産としての重みを実感させてくれます。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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