| 国 | フィリピン共和国 |
|---|---|
| 登録区分 | 自然遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1993年/2009年範囲拡大 |
| 登録基準 | (ⅶ)(ⅸ)(ⅹ) |
| その他の区分 | |
| 公式テキストページ | 中巻233p |
| 英文タイトル | Tubbataha Reefs Natural Park |
※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら
トゥバッタハ岩礁自然公園とは
サンゴ礁に彩られた海洋生物たちの宝庫
トゥバタハ岩礁自然公園(Tubbataha Reefs Natural Park)は、フィリピンのパラワン州沖に位置するスールー海の中心部に広がる海洋保護区で、1993年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。この公園は、東南アジア有数のサンゴ礁生態系を有しており、生物多様性の宝庫として国際的に高い評価を受けています。
トゥバタハ岩礁自然公園は、約97,000ヘクタールの面積を持ち、北岩礁、南岩礁、そして周囲の海洋区域から構成されています。これらのサンゴ礁は、環礁(アトール)という地形で形成され、外洋に面しているため、高い透明度と豊かな海洋生態系を保っています。公園内には、約600種の魚類、360種以上のサンゴ、13種のイルカとクジラ、11種のサメ、海鳥、そしてウミガメといった多様な海洋生物が生息しています。
この地域は、インド太平洋の生物多様性の中心とも言われる「コーラル・トライアングル」の一部に位置しており、特に健全なサンゴ礁の保全状態が注目されています。サンゴ礁は海洋生物の生息地であると同時に、地球規模での気候調整や沿岸の保護にも重要な役割を果たしています。トゥバタハのサンゴ礁は、外的な圧力が比較的少ないため、自然な生態的プロセスが維持されており、学術研究や保全活動にとって理想的な環境となっています。
また、この海域はウミガメやジュゴンの回遊ルートにもなっており、絶滅の危機にある種の保護にも貢献しています。とりわけ、アオウミガメとタイマイが産卵のために訪れることから、国際的な保護活動の焦点となっています。さらに、サンゴ礁に依存する漁業資源の回復や持続可能な管理の観点からも、トゥバタハの保全は重要とされています。
人間の定住は許可されておらず、保護のために厳格な管理体制が敷かれています。パラワン州政府とトゥバタハ管理委員会が連携し、密漁や海洋ごみなどの脅威に対する監視体制を強化しています。また、持続可能なエコツーリズムも限定的に実施され、訪問者は一定の規則に従いながらこの自然の宝庫を体験することができます。
トゥバタハ岩礁自然公園は、フィリピンのみならず世界中の人々にとって、海洋保全の模範的なモデルといえる存在です。この貴重な自然遺産が未来にわたって健全な状態で残されるよう、国際社会と地域コミュニティが協力してその保護に取り組んでいます。

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