ヴォルビリスの考古遺跡

ヴォルビリスの考古遺跡
クリス1964, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
モロッコ王国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年1997年/2008年範囲変更
登録基準(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)(ⅵ)
その他の区分
公式テキストページ中巻260p
英文タイトルArchaeological Site of Volubilis

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

ヴォルビリスの考古遺跡とは

モロッコ最大のローマ都市遺跡

ヴォルビリスの古代遺跡(Archaeological Site of Volubilis)は、モロッコ北部のメクネス近郊に位置する、古代ローマ時代の都市遺跡です。紀元前3世紀ごろにカルタゴ人によって築かれ、のちにローマ帝国の属州として発展を遂げました。この遺跡は北アフリカにおけるローマ都市文明の痕跡として極めて重要であり、保存状態の良いモザイク画や建造物が多く残されていることから、1997年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

ヴォルビリスは、かつてマウレタニア・ティンギタナ属州の首都として栄え、特に農業の中心地として知られていました。周囲にはオリーブ畑や小麦畑が広がり、収穫された作物はローマ本国へと運ばれました。都市内部にはフォーラム(公共広場)、バシリカ(裁判所)、カピトリウム(神殿)、凱旋門など、ローマ都市の典型的な建築群が整然と配置されており、その都市計画の高度さがうかがえます。

特に注目すべきは、邸宅内に残る精緻なモザイク装飾です。これらは神話や日常生活の場面を描いており、当時の人々の美意識や信仰、生活様式を知るうえで貴重な資料となっています。なかでも「バッカスの家」や「ヘラクレスの十二功業の家」は保存状態が良好で、多くの来訪者の関心を集めています。

また、ヴォルビリスは単なるローマ都市の遺構にとどまらず、ローマ以前のベルベル人文化や、イスラム時代初期の痕跡も見ることができ、多層的な歴史の融合が特徴となっています。8世紀にはイドリース朝の創始者イドリース1世がこの地に居住し、短期間ながらイスラムの重要な拠点ともなりました。

このようにヴォルビリスの古代遺跡は、地中海世界と北アフリカ内陸部との接点として栄えた都市の姿を今日に伝える貴重な文化財です。その美しい景観とともに、訪れる人々に古代から続く歴史の息吹を感じさせてくれます。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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