ヤズドの歴史都市

ヤズドの歴史都市
イラン・イスラム共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2017年
登録基準(ⅲ)(ⅴ)
その他の区分
公式テキストページ中巻90p
英文タイトルHistoric City of Yazd

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

ヤズドの歴史都市とは

伝統的建築が残るカナートを活用した砂漠の古都

ヤズドは、イランの中央部に位置する古代都市で、乾燥した砂漠地帯に建てられた歴史的な都市です。この都市は、その独特な建築スタイルや、古代ペルシャの文化、そして地域独自の宗教的、社会的背景を色濃く反映している点で重要な世界遺産です。ヤズドの歴史は非常に古く、数千年にわたる人類の歴史が刻まれています。特に、ここはザラスシュトラ教(ゾロアスター教)の重要な聖地としても知られています。

ヤズドの歴史都市は、砂漠の厳しい気候に適応した特異な都市設計が特徴です。街の建物は、乾燥地帯の過酷な気候をしのぐために独自の工夫が施されています。例えば、ヤズドの家々には「バーデギール」と呼ばれる風塔があり、これが建物の中に涼しい風を取り入れ、夏の暑さを和らげる役割を果たしていました。バーデギールは、この地域独自の建築技術であり、ヤズドの風物詩とも言える存在です。また、建物は土を使った伝統的な建材で作られており、これにより外気温との差が生じ、快適な室内環境が保たれます。

また、ヤズドはその美しいモスクや、ザラスシュトラ教の神殿である「アシュラフ・タワー」など、多くの歴史的な宗教建築を誇ります。特に「ジャーメ・モスク」はその壮麗なデザインと美しいタイル装飾で広く知られており、イラン国内でも最も美しいモスクの一つとされています。このモスクの巨大なミナレット(塔)は、ヤズドの象徴的な存在として訪れる人々を魅了します。

ヤズドの街並みは、古代と現代が見事に融合したものとなっており、その街の道を歩くと、どこか異国的で静かな雰囲気が漂っています。街の中心には、迷路のように曲がりくねった小道や狭い路地が広がり、これが都市の魅力の一部となっています。このような街並みは、サスチナブルな都市計画と古代の知恵がうまく融合した結果であり、今日に至るまでその形態を保ち続けています。

ヤズドはまた、イランにおけるザラスシュトラ教の中心地でもあります。この宗教は古代ペルシャの主要な宗教であり、ヤズドにはザラスシュトラ教徒のための神殿や塔、儀式が行われる場所が数多く存在します。特に「炎の寺院」や「火の塔」と呼ばれる場所では、ザラスシュトラ教徒の信仰の中心が感じられ、今日でも重要な宗教的儀式が行われています。

さらに、ヤズドの周辺には古代の水利システムが残されており、その「カナート」と呼ばれる地下水路は、砂漠地帯での水の供給を可能にしていました。この技術は、長い歴史の中で何世代にもわたって利用されており、今でも多くの地域でその影響を見ることができます。カナートは、乾燥地帯での農業や人々の生活を支えるための革新的な技術であり、ヤズドの歴史とその人々の知恵を象徴するものとなっています。

今日、ヤズドは観光地としても多くの人々を引き寄せており、世界遺産に登録されていることから、より多くの観光客がその歴史と文化を学びに訪れています。ヤズドの歴史都市は、世界的にも貴重な文化遺産であり、今後も保存と継承が求められる場所です。魅力的な建築物と、数千年にわたる歴史が交差するヤズドは、訪れる者に深い印象を与えることでしょう。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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