左江花山の岩絵の文化的景観

左江花山の岩絵の文化的景観
ロルフミュラー, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
中華人民共和国
登録区分文化遺産
世界遺産登録年2016年
登録基準(ⅲ)(ⅵ)
その他の区分文化的景観
公式テキストページ中巻177p
英文タイトルZuojiang Huashan Rock Art Cultural Landscape

※テキストは世界遺産1500(2024年発行の最新版)になります。参照はこちら

左江花山の岩絵の文化的景観とは

駱越人の紀元前からの生活様式を今日に伝える岩絵

左江花山の岩絵の文化的景観は、中国南部・広西チワン族自治区の左江流域に位置する、先史時代の岩絵群とそれを取り巻く自然・文化環境を含む貴重な遺産です。この地域の岩絵は、特に寧明県の花山を中心に多数分布しており、2016年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。岩絵の数は1,900点以上にのぼり、中国国内でも最大規模を誇るとされています。

これらの岩絵は、主に紀元前5世紀から西暦2世紀頃にかけて描かれたとされており、中国古代の百越系民族の一つである「駱越人(らくえつじん)」の文化と精神世界を伝える重要な遺物です。岩絵は主に赤色の顔料で描かれており、断崖の高所に位置しているため、風雨にもかかわらず比較的良好な状態で保存されています。

図像の内容は、武装した人物、祭祀や戦闘の場面、動物、船など多岐にわたります。とりわけ注目されるのは、並んで跳躍するような人物群像や、大型の太鼓を打つ様子を描いた場面であり、これらは当時の共同体における儀礼や信仰、社会構造を示すものと考えられています。また、岩絵に登場する人物はしばしば大きく誇張された手足を持ち、強い表現性と象徴性が見られます。

左江流域は、岩絵だけでなく、当時の人々が生活していた村落跡や墓地、農耕の痕跡なども点在しており、地域全体が先史時代の文化的景観としての価値を持っています。山、川、洞窟、岩壁といった自然環境が、信仰や儀礼の場として人々の精神世界と深く結びついていたことが、この地の岩絵からも読み取ることができます。

花山をはじめとする岩絵群は、単なる芸術作品としてではなく、駱越人の宗教的な儀式、祖霊崇拝、あるいは自然との調和の精神を反映した文化表現と位置付けられています。そのため、この文化的景観は、特定の時代や民族の枠を超えて、アジア全体の先史文化や人類の表現活動の豊かさを伝えるものといえます。

現在では、地元の自治体や研究機関によって保護体制が整備され、見学ルートや解説施設も整えられています。左江花山の岩絵の文化的景観は、過去の人々の信仰や生活の痕跡を通じて、現代に生きる私たちに自然と文化の共存の在り方を問いかけてくれる、貴重な世界遺産です。

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この記事を書いた人

世界遺産ハントの管理人。

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